2010/02/07明神平2010/02/07

わあー!! 樹氷や 明神平 

日本列島が大きな寒波におおわれた週末の日曜日(二月十七日)、車五台を連ねて明神平・国見山に向かいました。

総勢二十一人(聴覚障害者十三人、健聴者八人)で冬山の装備をしてのメンバーでした。各地から集まるために、大阪駅前から三台、奈良の平端、三重の榛原駅からと出発地点も三箇所。それぞれに連絡をとりあってのチームワーク。息はぴったり。大阪を七時、三重県の針インターパーキング八時、榛原駅八時半。時間には全員がそろっていました。完璧ですね。一日を予感するようなスタートです。 すばらしかったですよ。 「何がって」、 山登り・昼食の助け合いが、 明神平までの雪景色が、樹氷が、 温泉が、(ハイキング、うーん厳しい登山の後のやはた温泉のぬくもりが) 夕食が、(それぞれの好みの料理が、コミュニケーションが、…手話やらジェスチャーやらを交え、駆使したやりとりが) さて、一つひとつをふりかえってみましょう。  針インターまでは、雪や氷などのかけらもなくそれぞれの車が順調。インターを出発するときに、私たちの車だけ置いてけぼりに、あわててスタートし追いかけようとしているところに、桶田号が。さすが気配りのリーダー!!まさにハリハリ(はらはら)どきどき。 四台そろってスタートし榛原駅に向かったとたんに、日陰でスリップ、ドキッドキドキ。路面は凍結、以後注意を払い慎重にドライビング。  明神平のスタート地点の林道駐車場は、車でいっぱい。付近には積雪が。

 いよいよ、登山の準備をしてスタート。それぞれのスタート、コミュニケーションをとりながら…。林道登山口では、積雪も増え、路面も凍結している所もありで、アイゼンを装着そこからは、岩場あり、やっと一人が通ることのできる積雪の林道あり、ロープを伝っての川渡りなどなど。みんなの力を出し合い、助け合いをしながら頂上へ到達しました。

途中には、 流れる水が凍り付いて幾層にも斜面をおおう氷の帯、 白く青く透き通り陽の光をうけ白糸の滝ならぬ幾重にも折りこまれた氷柱、 視野に入りきれない一面の白銀の世界、木々や葉をおおう真っ白な綿ぼこりのような雪、 自然の厳しさを伝える、山間の木々を吹き抜ける風と雪・氷・水が創り出す一方向にきれいに整列した樹氷、 などなど、冬山ならではのすばらしい光景に触れることができました。 ありましたよ、岩場の奥まった場所にひっそりと大黒様が(石筍ならぬ氷筍が)。

ほっこりお腹をして迎えてくれました。感謝、感謝!! 昼食の場所では、それはそれは大変でした、私が。もう手がかじかんで指先の自由がきかなくて、たくさんたくさん助けていただきました。おにぎりを包んだラップがはがせなくて、剥いていただきました。

もう女神様でした。ありがとうございます。その後も箸が使えず、フォークを貸していただきおかずを食べました。ダウンのジャケットをだしていただくやら、カイロをいただくやら、コンロで暖めていただくやら、あったかーいコーヒーをお世話になるやら、たくさんの女神様に囲まれて幸せな時間をすごしました。

スキーでは白銀の世界を滑っていいのですが、薄着をして登ってきて、服装でしっかりすべってしまいした。 昼食後の周りの景色のすばらしかったこと。青空ものぞき、輝く木々や雪をいただいた山と遠景の山々の緑・青のコントラスト、最高でした。 国見山へは時間がなくて行きませんでしたが、十分満足しました。 帰路のやはた温泉。これも冷えきった体と疲れを癒すに十分でした。

いいもんですね、じっくりと体をあたため、白銀を、樹氷を、参加した人々のあたたかさを振り返るのも。 体をあたため、十分にくつろいだ後の針のパーキングでの夕食も、これまた楽しいひと時でした。好きなメニューを注文し、「くずあんかけうどん、おいしそうやなあ・・・」「これいけそうやろ、にぎわい膳・・・」「トンカツどんぶりとうどんのセット、へー・・・」などなど。

山の話、家族の話と話題が沸いてくる、湧いてくる。ラストオーダーまで、尽きることなく、手話やらジュスチャーやらボディーランゲージでのコミュニケーション本当にすてきな一日でした。白銀の山、樹氷、・・・参加した人々との出会い。たくさんの出会いがあり、たくさんのおみやげを持って帰りました。

みなさん、ありがとうございました。またご一緒しましょう。                         <森田 勝之>

2010/01/17七七頭ガ岳2010/01/17

七七頭ガ岳 1/17 今回で2回目の参加の者です。登山も2回目、雪山は初めてでした。持ち物に《スパッツ》と書いてくださっていましたが、 ズボンの中にはく《スパッツ》と勘違いしてしまったことに気がついたのは、山の最寄り駅に着く少し前のことでした。
<br> 行きの電車の途中までは、手話を教えてもらいながら楽しくすごし、わくわくしていましたが、車窓から雪が積もった景色が見え 始めた頃、みなさんがいろいろ服装や道具を準備されるのを見て、全く準備をしてこなかった自分に「やらかしてしまった…」と 少々心配になりました。《スパッツ》が足首につける雪よけのようなものと知ったのもその時です。有難いことにスパッツを2つ 持っている方がおられ、1つ私に貸して下さいました。安心してバスに乗り込み、山のふもとにつきました。
全く道のない雪の積もったところを一体どうやって進むのかな。。。 とまた少々心配になりつつアイゼンをつけ、登山スタート。 ところが心配無用でした。先頭の方が靴で雪をならして道を作って下さり、私は何の苦労もなく歩くことが出来たのです。
   あたり一面銀世界。しんしんと静かに降る雪の中、ひたすらもくもくと歩いている時は、別の世界へ行っているような感覚に なりました。前回登ったのは11月で、山の葉のグラデーションが美しかったですが、今回はまた別の美しさがありました。
歩いている時は、前の人が歩いた足跡に集中し、同じところに足を合わせて歩いていましたが、いかんせん体重が重いためか、 何度もズボッと雪の中にはまってしまいました。

少々余裕が出てきた頃、前にあった枝をよけようと、手でよけなければ ならなかったのを、足を一歩外に出してズレたところ、右足半分が一気に雪にはまりぬけなくなってしまいました。 後ろの方にすぐ助けて頂きましたが、ちょっとした油断が危険につながることも経験しました。

下山してから後ろの方たちを待っている間、地元の方だと思うのですが、車に乗って前を通られた時に帰りのバスがまだあるか 尋ねたところ、わざわざバスの時間を調べて、時間の書いたメモをまた届けに来て下さいました。その他、雪かきをしている地元の 方とあいさつを交わしたり、帰りのバスの運転手さんが行きと同じ方だったようで、「15時台のバスに乗ってないから心配した」と 言って下さったり、都会では最近ないような人々との交流も私にとっては新鮮な経験でした。
心配で始まった今回の登山でしたが、終わってみると今回もやっぱりとても楽しく爽快でした。また次回も是非参加させて 頂きたいです。手話が出来ませんので、みなさんとのコミュニケーションが少ないかと 思いますが、出来ないなりにも、何らかの形で少しずつ、いろんな方と話が出来ればいいなと思っています。  記川本香織